当社がある奈良県菟田野は、古くから毛皮革産業が盛んな地域で、創業者の南浦正之も、菟田野で鹿セーム革の製造業を営んでいる家の6人兄弟の長男として生まれ、中学生の頃には家業の手伝いをして鹿革製品に触れておりました。
家業の会社は弟に譲り、昭和30年、20歳の時に独立し、前身となる奈良産業を設立しました。設立当初は自社工場・設備がなく、実家の作業場や地域組合の設備が開いている時間に機械を借り、多くの方に助けていただきながら、より良い製品を作るため、常に研究を怠らず製造を行い、出来た製品(鹿セーム革)は風呂敷に包んで、バスやタクシー会社等の主に自動車関連の会社に営業に行く、の繰り返しでした。
その後、自動車の普及とマイカーブームにも恵まれたことで、自動車のお手入れ用として鹿セーム革の売上が伸び、資金を貯めて昭和40年に念願の自社工場を新設しました。新設した工場では更に研究を重ね、毛皮製品や武道具用の鹿革製品の製造・販売も行い、会社として少しずつ業績もあがり始めました。
その頃から環境汚染も問題視されるようになってきた時代背景もあり、当時は各工場から河川に流していた排水が問題となっておりました。問題解決のため、地域組合と協力して各機関に働きかけ、住環境の整備や水質保全のために、地域の住宅街に混在していた毛皮革関連事業者の工場を一か所に集め、構想から10年以上を経て、浄水設備や焼却設備を併設した現在当社がある毛皮革工場団地に工場を新設し、奈良産業株式会社を設立いたしました。
創業者の南浦正之は私の祖父にあたります。私も小さい頃から鹿革製品に触れ、高校・大学ぐらいからたまに簡単な手伝いはしていたものの、私が大学生の時に祖父が亡くなったため、社員として直接一緒に仕事をすることはございませんでしたが、昔から、お客様の求める品質に応え喜んでいただくこと、鹿革の研究・開発を重ね、現行の技術や製品だけでなく、新しいことにも積極的にチャレンジしていくことで鹿革を色んな用途で使ってもらい、鹿革の良さを多くの人に知ってもらいたいという想いで仕事していると言っておりました。
私も鹿革の製造に携わるようになり、創業者である祖父、および、従業員として働いていただいている方の、当社の会社設立から現在までの鹿革に関する経験や技術、試行錯誤した結果などを実際に目にして、非常に貴重な財産だと感じ、想い・技術・経験を引き継いでいきたいと強く思いました。
創業者の想いを引き継ぎ、当社はこれからも品質向上及び挑戦を続け、お客様に喜んでいただくこと、より多くの人に鹿革の良さを知っていただくよう努力し続けます。
奈良産業株式会社
南浦勇弥
会社名 | 奈良産業株式会社 |
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所在地 | 奈良県宇陀市菟田野古市場1596-10(毛皮革工場団地内) |
TEL | 0745-84-4087 |
FAX | 0745-84-3862 |
福岡(営) | 福岡県福岡市南区大橋3-17-15/604 TEL/fax : 092-401-7070 |
代表者 | 南浦良章 |
資本金 | 20,000,000円 |
営業内容 | 各種毛皮、各種皮革、特に鹿革を中心とする武道具用。弓道具用衣料用。手袋用。セーム革、美容用皮革の製造販売。 |
1956年7月 | 奈良産業設立創業 |
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1965年5月 | 工場新設 |
1970年9月 | 第二工場新築 |
1981年9月 | ファーOSLO京都店新築 |
1986年2月 | 本社ショールームおよび工場新設 |
1989年3月 | 毛皮革工業団地に工場新設移転 |
1989年5月 | 奈良産業株式会社設立代表取締役 南浦正之就任 |
2007年8月 | 福岡(営)開設 |
2007年8月 | 代表取締役に南浦良章就任 |
奈良県宇陀市菟田野古市場1596-10(毛皮革工場団地内)
TEL 0745-84-4087 /
FAX 0745-84-3862